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【読書】ビンテージ・ギターをビジネスにした男 ノーマン・ハリス自伝

2017年8月23日

本のタイトルの【ビンテージ・ギター】という文字が目に飛び込んできたので、つい購入してしまいました。

アメリカのロサンゼルスにある【Norman's Rare Guitars】という有名な楽器店の創業者ノーマン・ハリスの自伝です。

ビンテージ・ギターをビジネスにした男

帯にある顔写真に見覚えがあると思ったら、YouTubeのお気に入りチャンネルにこの店を入れてるんだった。

珍しいエレキギターやアコースティックギターの紹介をしているので、ついつい観てしまいます。

凄いギターの量。こんな店が名古屋にあったら、入り浸りそうで怖いな…。

 

本の内容

本はタイトルに【自伝】とある通り、ノーマン氏の若かりし頃のバンド活動や音楽との関わりなどにもページが多く割かれています。出てくる人物や曲名は良く分からなかったけど、バンド活動を通じてビンテージ・ギターの取引という仕事に出会い、徐々にシフトにしていく流れは良く分かりました。

衝撃を受けたのは巻頭部分の、60年代後半から70年代初めに多くの人がギターに夢中になっている時代に、安さを売りにした質の低いギターが大量に生産されているのを嘆いていること。現在ならこの時代のギターも貴重なものなんだけど、その頃のミュージシャンたちは古い30年代から60年代初めのギターの方が、音楽をよく表現できるのだと気づいていたそうだ。

インターネットや携帯電話がなかった時代に、いかにして情報を得て古いギターを手に入れていくかという工夫や知恵も面白い。もちろん現在は、ホームページやYou Tubeを駆使して事業をさらに拡大させているということも書かれていた。できる人は時代の流れを上手くとらえているんだなと感心しました。

良いギターを揃えことでお店は評判となり、ジョージ・ハリスン、ボブ・ディラン、リッチー・サンボラなど有名人との取引した様子も書かれています。

本の真ん中あたりは、ノーマン氏の秘蔵ギター・コレクションがカラーで掲載されていて圧巻!

ノーマン氏の秘蔵ギター・コレクション

60年代後半から70年代初めの時点では、10数年落ちのギターは世間では単なる【中古】だったようだけど、特別な価値があることを見抜き、売買することを思いついたのはさすがだ。

古いギターの価値が見直されることで、大手メーカーも過去の仕様でリイシューモデル(復刻版)を発売するという時代の流れができたんだろうな。一部分だけど、ギター業界の時代の流れを知ることができたので、読んだ価値はありました。

ギター(本体)好きの方は、ぜひお読みください!

 

  • この記事を書いた人
アズール・ギター教室 代表

山口 直樹

アズール・ギター教室 代表

名古屋生まれの名古屋育ち。

1995年に「ギターの楽しさを多くの方に知ってもらいたい」と、4年間務めた一般企業を退職してアズール・ギター教室を設立。現在も名古屋市と知多市の5ヶ所の教室を運営中。

ギターを弾くことやレッスンが大好きで、楽器や関連グッズの探索はカレーと同じくらい大好物!