冬場で空気の乾燥した時期が続いたからでしょうか。生徒さんが大切にしているギターにトラブル発生です。
裏板に割れた線がうっすらと見えています。
ギターの裏横板としては最高級材のハカランダ(ブラジリアン ローズウッド)。現在はワシントン条約で絶滅危惧種に指定され、輸出入が禁止になっているという貴重な木材です。
もちろん、このギターに使用しているのは規制前に伐採されて、充分に自然乾燥したもの。
外側からは見えにくいですが、蛍光灯にかざしてサウンドホールから覗くと…
光が差し込んで、割れている場所が分かります。2000年作なので、製作してからは13年ほど経ってるのに割れるとは。
『ハカランダは割れやすい』と聞いていたけど。このままだと割れが拡がる可能性があるので、このギターの製作家に早急に修理してもらうことにしました。
冬場はエアコンの使用などで部屋が乾燥します。加湿器を使用するなどして湿度管理には十分ご注意ください。
修理が完了!
蛍光灯にかざすと隙間から光が洩れてきていましたが…
木のパッチを当て、割れた部分は塞がれていました。
割れ目がラベルの下を通過していたので、修理のために剥がさなくてはならなかったけど、製作者本人に修理を依頼したので新しいラベルを貼ってもらえました。
スペースの都合上、新しいラベルの向きが縦に変わりましたが…。
修理のついでに、13年ほどの使用で傷んでいた糸巻きを同型の新しいものに交換してもらいました。
錆で黒くくすんでいたものが、金ピカに。これでスムーズにチューニングできます。
あと、低くなっていたサドルも交換。牛骨のブロックから、このギターに合わせて削りだしています。
弦高の調整もバッチリ!格段に弾きやすくなり、音もしっかりと出るようになりました。
製作家が心をこめて作った良質なギターを、修理しながら長く使うというのは良いですね。ギターは大切にしましょう。