生徒さんがクラシックギターを買い替えられました。
定年退職されてからギターを始められ、『レッスンの30分で、1週間分の冷や汗をかく(笑)』なんて冗談をいいならニコニコとされてる音楽好きな方です。何歳になっても新しいことを始められるのは素敵なことですね!
クラシックギターをグレードアップ!
今まではナイロン弦のサイレントギターを弾いておられたので、生のギターは初めての購入になります。
サイレントギターは、深夜や住宅事情で音を出しづらい環境での補助ツールとして非常に有効だと思います。
でも、生のギターを弾くのとは感覚が違います。なので、レッスンの時は教室の手工クラシックギターを使ってもらっていました。
レッスンを続けるうちに、サイレントギターではギターの音の出し方や正しい姿勢を習得するのが辛いと気づかれたよう。ついにご自身のギターを手に入れられ、とても嬉しそうです!
試奏させてもらいました
『楽器店で中古を購入した』と嬉しそうにレッスンにお持ちになりました。弾かせて頂いたら、さすが個人製作家の手工ギターだけあって、軽いタッチでもよく響きます。
ただ問題もありました。押弦すると何ヶ所ももフレットでビリつきが出るし、音がブワブワで腰のない状態でした。通常なら購入前に調整してもらえば済むんだけど、生徒さんはあまり気にならなかったようで、そのまま購入して持ち帰られたそう。
生徒さんに『お店に相談してみたら?』とアドバイスしても、穏やかな方なので気後れするみたい。う~ん。
僕にも同じような経験が
20歳の時、Martin D35を楽器量販店で購入した時のこと。憧れだったマーティンのギターを試奏して、豊かな響きに浮かれて購入したはいいけど、家に持ち帰って改めて弾いてみたら弦がビリつく。
ガーン。ナットの設定がやや低かったようだ。
後日、楽器店を訪れて調整の対応をお願いしたら、購入時にはニコニコしていた店員さんが…今でもその楽器店の名前を聞くと思い出してしまう嫌な経験でした。
でもそこで学んだのは、『試奏して持ち帰ったら、すべて自分の責任』ということ。だって、自分が選んだんだから。
結局、リペアショップに持ち込んで良い状態に調整してもらいました。余分な費用や時間がかかってしまったけど、その後のとても良い勉強になりました。
僕は、『失敗も成功もしない』よりも『失敗と成功をする』ことの方が価値があると思っています。
『失敗しないで成功する』のは、本当に難しい。
何事も勉強
今回のギターの件は僕がチェックをした訳ではないので責任はないけど、ちょうどこのギターを製作した方をよく知っていたので、直接連絡をして調整してもらうようアドバイスしました。
生徒さんは工房まで2度も出向くことになったり、購入したばかりのギターが調整のためしばらく預かりになって弾けなかったりで大変だったと思います。
でも、このギターを購入したことが縁でギターの製作者に会う機会ができ、ギター製作に関する興味深い話が聞けたことは生徒さんにとってプラスだったと思います。手間をかけた分、よりギターに愛着がわくでしょうし。
まとめ
僕は今まで『生徒さんが不具合のあるギターを買ってしまうと、余分な費用や手間がかかってしまうし、レッスンも上手くいかなくなってしまう』という気持ちが強かった。
なので、『僕がギターの状態をチェックをして、生徒さんが失敗しないように』なんて考えていたけど、過保護になりすぎていたのかもと思える出来事でした。
きっと、良いものを選べるようにお教えしたり見守りながら、多少のことは目をつぶっておくことも必要なんですね。
とは言え…ご注意とお願い
ギターは個体差があり1本いっぽん状態が違うので、購入の際はメーカー名や価格などに惑わされず、注意して選ぶ必要があります。
心配なことや分からないことがあれば、必ず購入前にお尋ねくださいね。
ご了承ください
ギターや関連グッズに関するアドバイスは、これから入会される方、受講中の生徒さんへのサービスとして無料で行っています。
当教室は楽器店ではありませんし、楽器販売を目的としたギター教室でもありませんので、一般の方からの質問・相談はお受けしておりません。