クラシックギター教室

「最後のトレモロ」(A.バリオス)を再チェック!~楽譜選び、伝記や奏法解説なども調べた

クラシックギターの名曲『アルハンブラの思い出』を再チェックしていたら、他のトレモロの曲にも興味が出てきました。

『最後のトレモロ』(バリオス)を弾こう!

パラグアイのアグスティン・バリオスが作曲した『最後のトレモロ』は好きな曲の1つだけど、レッスンする機会がなくて20年以上前に弾いたっきりになってた。

ああ、なんという事でしょう!

でも最近、トレモロ奏法を良く練習できたから、その流れで久しぶりに『最後のトレモロ』の楽譜も再チェックすることにしました。

最後のトレモロ~演奏:ジョン・ウィリアムス

哀愁を帯びたトレモロ奏法の名曲です。まずはどんな曲か聴いてみてください。

バリオスを弾くための資料

バリオスの定番の楽譜には、ストーヴァー版とベニーテス版の2種類があります。

バリオス・マンゴレ ギター作品集(ベニーテス版)

日本で手に入れやすいのは全音楽譜出版社の全4巻のベニーテス版だ。
見やすく浄書してあり、運指がスムーズなので使いやすいです。僕がバリオスを弾く時は、この楽譜を元にしています。

バリオスの楽譜 ベニーテス版

バリオスの楽譜 ストーヴァー版

海外のプロが使用することの多く、ベニーテス版より1年早く出版されています。

全2冊で、なんとVol.2にはバリオスの自演を収録したCDが付属しています。

バリオスの楽譜 ストーヴァー版

どちらを入手すればいいの?

2種類を紹介すると、生徒さんからそんな質問をされます。熱心な方は比較検討のために両方あれば良いけど、どちらがと尋ねられたらベニーテス版をお勧めします。

日本語のタイトルがある方がベニーテス版です。

バリオスの楽譜 ベニーテス版とストーヴァー版

「最後のトレモロ」はバリオス・マンゴレ ギター作品集(2)に「過ぎ去りしトレモロ」というタイトルで掲載されています。

現代ギター「名曲演奏の手びき Part.VIII バリオスのすべて」

バリオスの生涯や作品、奏法解説や楽譜など貴重な情報が掲載されています。

現代ギター 1993年12月臨時増刊 No.343と古い本だけど、しっかりとした内容なので中古で見つけたらぜひ手に入れてください。

「名曲演奏の手びき Part.VIII バリオスのすべて」

複数のタイトルがあるんです…

この曲には以下のように複数のタイトルがあります。

  • 最後のトレモロ
  • 過ぎ去りしトレモロ
  • 神のお慈悲に免じてお恵みを

「最後の」とか「過ぎ去りし」と付いているのは、バリオスが亡くなる直前に書いた遺作だから。しかも本人はタイトルは付けていなかったそう。

「神のお慈悲に免じてお恵みを」については、先に紹介したYouTubeのジョン・ウィリアムスのDVDを持っているので(大ファンだからね!)、その解説から引用します。

彼は晩年、中米のエルサルバドルでギター教授をしていたが、その頃、毎日決まった時刻に彼の住居の扉を叩く、物乞いの老婆があった。バリオスは、そのノック音と「神様のご慈悲に免じて施しを」と唱えるかぼそい声にヒントを得て、繊細なトレモロの手法を用いたこの美しい調べを作曲した。

まとめ

「アルハンブラの思い出」でトレモロ奏法を習得したら、それだけではもったいない。

やや難易度は上がるけど、機会をみて「最後のトレモロ」にもチャレンジしてみてくださいね。

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アズール・ギター教室 代表

山口 直樹

アズール・ギター教室 代表

名古屋生まれの名古屋育ちです。

1995年に「多くの方にギターの楽しさを知ってもらいたい」と、4年間務めた一般企業を退職してアズール・ギター教室を設立しました。

ギターを弾くことやレッスンすることが大好きで、楽器や関連グッズの探索はカレーと同じくらい大好物。