ある高名なギター製作家のインタビュー記事の中に「若い頃、ギターに対して『やってはいけない』と世間で言われていることをたくさん試した」という言葉があった。
『ギターに水をかけてはいけない』と聞けば水をかけ、
『直射日光に長時間当ててはいけない』と聞けば日光にさらす。
そうやって自分でたくさんのことを試して研究し、ギター製作に生かしたのだとか。
なるほど。
今回は僕が生徒さんに『やってはいけない』と言っていることを試してみました。(良い子は真似しないでね!)
嵐の前触れ?
昨年の秋、アズール・ギター教室では『教室移転』『新規教室の開講』『改装工事』などが重なって大忙しだった。
契約や打ち合わせ、片づけ、備品調達など、レッスンの合間に雑用が重なって目が回る。なぜこの忙しい時期にあれこれ同時に起きるんだ…っていうこと、ありますよね。
ギターを通販で購入
そんな忙しい最中、レッスン用ギターが1本足りないことが判明。ああ…もうすぐ開講日なのに。
ギター選びは大好きなことだし、むしろ生徒さんたちには『ギター選びは難しいから、弾いて納得してから買うように』と常日頃から言っているのに、油断しました。
教室で使用しているギターの中に『この値段で、こんな音が出るんですか!』と生徒さんから言われるくらい当たりのものがある。もちろん値段の枠は越えられないけど、僕がたくさん弾いた中から自信を持って選んだもの。
なのに、忙しさと備品の多くを通販で揃えたこともあって、それと同じメーカの同じ品番のギターをポチッと注文。いつもなら何本も弾いて当たりのギターが見つかるまで探すんだけど…。
さっそく届いた!
注文の2日後に。『まあ、何と便利な世の中なんだろう』なんて浮かれていたのも束の間、段ボールを開けてチューニングすると、
んっ?
何だか音が薄っぺらくて線が細い。まっ…まあ最初だから鳴らないのかなぁ、なんて自分に言い聞かせながらしばらく弾いてみた。
次に、ジャラ~~ンという音を期待してコードを弾いてみると、
チャリ~ン
って、何とも頼りない弱々しい音。あらら…完全にハマった。大ハズレのギターだよ。でも『音がショボイから』って理由では返品できないしなぁ。
ギター反面教師!
これからギターを始めるという方がこのギターを買ってしまったら、『ギターはこんな音しか出ないのか』とガッカリするか、『ギターはこういうものなんだ』と信じてしまうんだろうな。
買ってしまったものは仕方がないので、サンプルとして教室に置いておきました。生徒さんたちのギター選びの参考に使えるかな。反面教師!
ギター選びをしたいときはお手伝い、アドバイスをしますのでご相談ください。