国内外の著名クラフトマンやルシアー(個人製作家)を紹介する『アコースティック・ギター作りの匠たち』という本を紹介します。
左)第1弾 右)第2弾
ギターというとまず思い浮かぶのが、年間5万本、10万本などと大量に生産する有名なメーカーのものでしょう。
でも、年間に10本や20本をコツコツと独りで製作している職人さんもいるんですよ。そんな個人製作家や、規模の小さいメーカーのアコギを紹介する本が発売されたので、早速購入しました。
アコースティック・ギター作りの匠たち 第1弾
表紙には押尾コータローが愛用していることでも有名なジョン・グレーベン(John Greven)のギター。
押尾コータローのインタビュー記事【グレーベンとともに歩んだキャリア】では、愛用のグレーベン・ギターとの出会いや演奏活動について語っていて、所有する8本のグレーベンのうち、7本の写真と解説が掲載されています。
個人製作家やメーカーのクラフトマンのインタビューでは、それぞれ見開き2ページを使って、ギター製作を始めたきっかけや、製作に対する考え方が語られています。製作家の個性も読み取れますよ。
個人製作インタビュー
- John Greven(Greven Guitars)
- 塩崎雅亮(Seagull/M.Shiozaki)
- Niklas Rotemar(Rotemar Guitars)
- 横山 正(Yokoyama Guitars)
- 増田明夫(Water Road Guitars)
- 戸田真次(TODA Guitars)
- Rod Schenk(Schenk Guitars)
- 古谷武久(Furuya Guitar)
- 西 恵介(Keystone Stringed Instruments)
- 荻野裕嗣(Hiroshi Ogino Guitars)
- 小林良輔(Ryousuke Kobayashi Guitars)
メーカーのクラフトマンへのインタビュー
- George Lowden(Lowden)
- Andy Allen(MATON Custom Shop)
- 百瀬恭夫(HEADWAY)
- Jean Larrivee(Larrivee)
- Bill Collings(Collings)
アコースティック・ギター作りの匠たち 第2弾
アコギ界の巨匠Ervin Somogyi(アーヴィン・ソモギ)が表紙を飾っています。
やっぱりソモギのギターはデザイン性に優れていてカッコいい。今年の6月に大阪で弾いたキルテッド・マホガニーのソモギは、澄んだ音で演奏性も良かったから印象に残っています。
【世界のトーンウッドを知る~ サイド/バック編】では、ギターの裏横板に使われる木材の写真と、産地や特徴などの解説がありました。木目フェチにはたまらない特集だ。でも興味がないと、全部同じに見えそうだけど。
個人製作家たちへのインタビュー記事も充実。この本のために日本各地や海外に散らばる製作家を訪ねて取材しているので、製作を始めるきっかけや考え方など、一人ひとりの個性が見えて面白いですよ。
- Sergei de Jonge(Sergei de Jonge)
- 鷲見英一(SUMI)
- 杉田健司(SUGITA KENJI Acoustic Guitars)
- 坂田ひさし(Sakata Guitars)
- Jack Spira(Jack Spira Guitars)
- 政田一光(Ikko Masada Guitars)
- 西原悠紀(Nishihara Guitars)
- 向江良太(Ryota Mukae Guitars)
Ervin Somogyiの【トップ材のみを変えた3つのギターの物語】は、裏横板を同じ木から採り、製作方法もできるだけ同じにしたアコギの話。クラシックギターの世界でも、トーレスがトップ材の重要性を研究するために、裏横をボール紙で作ったことがあったな。
そういえば知り合いの製作家が、『ギターはトップ材で音が決まり、裏横板で値段が決まる』って言っていたなぁ。
この3本のソモギで録音してアルバムを出した、Michael Chapdelaineのインタビューも掲載されていたから興味津々。
ギターを弾いているだけでも楽しいけど、本体について詳しく知ると弾くのが益々楽しくなりますよ!