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【弦レビュー】プロアルテ EJ45FF

2017年8月3日

クラシックギターの弦が羊の腸から作るガット弦からナイロン弦に変わったのは戦後すぐ。巨匠セゴビアが活躍した時代です。

 

弦は新たな素材に

ナイロン弦が普及して久しいけど、最近は新たな素材のフロロカーボン弦(カーボン弦)を使用するプロのギタリストが増えています。

カーボン弦と言えばフランスのSAVAREZ(サバレス)が有名だ。

長く使っているけど、他のメーカーからもカーボン弦が発売され始めたので、ただいま自分のギターで実験中。ギター雑誌のレビューのように『張って、弾いて、計測、次の弦に張り替え』を短時間で繰り返すのではなく、じっくり使用して使用感や変化も勝手にレビューしますね。

今回はクラシックギター弦でトップシェアを誇るD'Addario(ダダリオ)社のカーボン弦【EJ45FF】です。

D'Addario EJ45FF

他のメーカーと同じようにフロロカーボン素材は【1弦から3弦】のみで、【4弦から6弦】はダイナコアという弦が組み合わせになっています。

メーカーの解説を見てみましょう。

Pro-Arté Carbon

Pro-Arté Carbonは、新開発のフルオロカーボン(フッ化炭素)素材の高音弦がセットされていて、高密度でハリのあるテンションが特徴。優れたピッチと繊細なレスポンス、そして音抜けの良い突き抜けるようなモダンなサウンド。勿論、Pro-Artéクオリティーにより、他の弦には追随できない、優れた同心性を実現。低音弦にはPro-Arté Dynacoreに採用されている、パワフルな低音弦と組み合わされたことで、現代のクラシックギタープレイヤーにとって最も理想的ともいえるテンションとサウンドのセットが誕生しました。

Pro-Arté Dynacore

極細の繊維を束ね、縒り合せたコア材に、Silver Plate の巻線を使用。 プレーン弦はリッチでブライトなサウンドを実現。 また、従来のPro-Arté から弦寿命が劇的に改善され、チューニングの安定度も向上。

 

張ってみました

サヴァレス社の【アリアンス/カンティーガ】というカーボン弦から張り替えました。

クラシックギターとEJ45FF弦

メーカーの情報によると、EJ45FF(Carbon)は一番ブライトとなっています。
ちなみに、一般的に広く使用されているのは真ん中のEJ45(Nylon Core)です。

プロアルテ弦の特徴

 

使用感

張りたて

張っているときの感触ではナイロン弦との違いはほとんど分からなかった。ただ、ナイロン弦よりも素材にやや硬さを感じます。

あと、同じメーカーのナイロン弦(1弦で0.028インチ)に比べてかなり細い(1弦で0.024インチ)。カーボン弦の俊敏な音の理由は、弦の細さと硬さにある気がします。

張ってからすぐに弾いたら、高音は【ピ~~~~~~~ン】とした硬い音で細かく揺れてる感じ。低音も【ボ~~~~~~~ン】という細かく揺れている感じでした。
いつものサヴァレス/カンティーガ弦のように【ボワ~~~~ン】と豊かでゆったり響いて欲しいんだけど…。

文字で音が伝わってるかなあ?

音は大きいというか、ハッキリとした音で耳にキンとしてよく聴こえてきます。脳が揺さぶられるくらいのイメージ。メーカーの表で一番ブライトになっているのが、よく分かりました。

2週間

キンキン具合は少し緩和してきたけど、何だかうるさく感じてしまう。今回のギターは柔らかな歌心を持っているので、それとは合わず喧嘩してる感じだ。音量は出るけど明らかにマッチしてない。

実験だからと我慢して弾いてきたけど、ギター本体の音がおかしくなってもいけないし、自分の耳も耐えられないので2週間で張り替えることにしました。

2週間使ってもヘタリを感じなかったので耐久力はあるようです。どこまで使えるか耐久実験もしたかったけど、残念。

 

まとめ

弦を選ぶときは、【良い弦】【悪い弦】ということではなく、自分のギターとの相性が重要です。

この弦をレッスン用の国産手工ギターにも張ってみたら、音量がアップしてスッキリしたよく通る音になったし。響きにくい量産ギターにも効果があるかもしれません。

皆さんも、いろいろな弦を自分のギターに張ってみて、お気に入りを見つけてくださいね。

 

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アズール・ギター教室 代表

山口 直樹

アズール・ギター教室 代表

名古屋生まれの名古屋育ち。

1995年に「ギターの楽しさを多くの方に知ってもらいたい」と、4年間務めた一般企業を退職してアズール・ギター教室を設立。現在も名古屋市と知多市の5ヶ所の教室を運営中。

ギターを弾くことやレッスンが大好きで、楽器や関連グッズの探索はカレーと同じくらい大好物!