クラシックギターの名曲『アルハンブラの思い出』を再チェックしていたら、他のトレモロの曲にも興味が出てきました。
『最後のトレモロ』(バリオス)を弾こう!
パラグアイのアグスティン・バリオスが作曲した『最後のトレモロ』は好きな曲の1つだけど、レッスンする機会がなくて20年とか30年とか前に弾いたっきりになってた。
ああ、なんという事でしょう!
でも今回のお盆でトレモロ奏法を良く練習できたから、その流れで久しぶりに『最後のトレモロ』の楽譜も再チェックすることにしました。
最後のトレモロ~演奏:ジョン・ウィリアムス
哀愁を帯びたトレモロ奏法の名曲です。まずはどんな曲か聴いてみてください。
バリオスを弾くための資料
バリオスの楽譜には、定番としてストーヴァー版とベニーテス版の2種類があります。
バリオス・マンゴレ ギター作品集(ベニーテス版)
日本で手に入れやすいのは全音楽譜出版社の全4巻のベニーテス版です。
見やすく浄書してあり、運指がスムーズ。僕がバリオスを弾く時は、この楽譜を元にしています。

バリオスの楽譜 ストーヴァー版
海外のプロが使用することの多い、バリオスの楽譜です。ベニーテス版より1年前に出版されました。
なんと、Vol.2にはバリオスの自演を収録したCDが付属しています。

どちらを入手すればいいの?
2種類を紹介すると、生徒さんからそんな質問をされます。熱心な方はもちろん両方あれば良いけど、どちらがといわれたらベニーテス版をお勧めします。
日本語のタイトルがある方がベニーテス版です。

「最後のトレモロ」はバリオス・マンゴレ ギター作品集(2)に「過ぎ去りしトレモロ」というタイトルで掲載されています。
現代ギター「名曲演奏の手びき Part.VIII バリオスのすべて」
バリオスの生涯や作品、奏法解説や楽譜など貴重な情報が掲載されています。
現代ギター 1993年12月臨時増刊 No.343です。しっかりとした内容なので、中古で見つけたらぜひ手に入れてください。

複数のタイトルがあるんです…
この曲には以下のように複数のタイトルがあります。
- 最後のトレモロ
- 過ぎ去りしトレモロ
- 神のお慈悲に免じてお恵みを
「最後の」とか「過ぎ去りし」と付いているのは、バリオスが亡くなる直前に書いた遺作だから。しかもタイトルは付けていなかったそう。
「神のお慈悲に免じてお恵みを」については、先に紹介したYouTubeのジョン・ウィリアムスのDVDを持っているので(大ファンだからね!)、その解説から引用します。
彼は晩年、中米のエルサルバドルでギター教授をしていたが、その頃、毎日決まった時刻に彼の住居の扉を叩く、物乞いの老婆があった。バリオスは、そのノック音と「神様のご慈悲に免じて施しを」と唱えるかぼそい声にヒントを得て、繊細なトレモロの手法を用いたこの美しい調べを作曲した。
まとめ
「アルハンブラの思い出」でトレモロ奏法を習得したら、それだけではもったいない。
やや難易度は上がりますが、機会をみて「最後のトレモロ」にもチャレンジしてみてくださいね。
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