『アルハンブラの思い出』は、常に1人か2人の生徒さんにレッスンしているクラシックギターの名曲です。
でも何故か現在7人にレッスン中!どうしてこんなに重なったのかなぁ。自分の技術やレパートリー維持のためにも、できるだけ分散させてるんだけど…。
『アルハンブラの思い出』をレッスン中!
この曲を弾きたくてギターを習い始める方があるくらいの人気曲なので、「誰もが知る名曲」だと思っていたけど…。
【動画】朴葵姫(パク・キュヒ) アランブラ宮殿の思い出
スペインのフランシスコ・タレガ(1852-1909)がアルハンブラ宮殿の噴水からインスピレーションを得て作曲したこの曲、皆さん、ご存知ですか?
中学生の女の子にレッスンしたときのこと
この曲を課題にするとき、当然知っているものだと思って模範演奏したら「知らないです」って言われて驚いた。
演奏が良くなくて分からないのかな?ってドキドキしながら「お母さんならきっと知ってるよ。帰ったら聞いてみて!」と伝えたよ。これが有名な曲だということが知ってもらえるはず…と思っていたら翌週「お母さんも、知らないって言ってました!」って元気に言われてしまった。ああ…。
ちなみに楽譜はこんな感じ。トレモロ奏法を使うので同じ音が並んでいます。
『アルハンブラの思い出』を弾くための資料
僕はレッスンをするにあたって、できるだけたくさんの資料を調べるように心がけています。おかげで書庫が満杯だ…。
楽譜と解説
有名曲なので多くの楽譜を持っているけど、まずは原典に近い左の2冊の楽譜をチェックしました。
- 現代ギター社の標準版ターレガギター曲集
- タレガが存命中(1909年以前)に出版された楽譜
右の2冊に載っている解説もチェック!
- 現代ギター2012年1月号:特集「運指の工夫で弾ける!アランブラの想い出」
弾きやすさや音楽の流れを考慮した、原典とは違う運指を6人のギタリストが提案しているから、生徒さんが上手く弾けない時にも役立ちそう。 - 現代ギター2009年7月増刊号:タレガ ギター名曲集
「トレモロ奏法の攻略法」は、安定した右手のトレモロを弾けるようになるノウハウがいっぱいです。
タレガの伝記
曲をより深く理解して演奏するのには、作曲者の人物像を知ることも重要だ。ということで伝記を読み返しました。
【右】改訂新版 タレガの生涯/濱田滋郎・訳
タレガの愛弟子エミリオ・プジョールが書いたタレガの伝記的エッセイ。
【左】リウス:フランシスコ・タレガ/手塚健旨・訳
「タレガの生涯」から半世紀後に出版された伝記。
どうでもいい事だけど…
20代男性の生徒さんがレッスンの時に話してたことなんだけど、表記が気になるって。
曲のタイトルが
- アルハンブラの思い出
- アルハンブラ宮殿の思い出
- アランブラの思い出
と統一されていないし、「想い出」という漢字が使われることもあるから。
さらに作曲者のTárregaも
- タレガ
- ターレガ
- タルレガ
と複数の表記が使われるし。
そういえば発表会のプログラムに記載するとき、どれにするか迷ったことがあったなぁ。
まとめ
新たに発見したこともあるから、これからのレッスンが楽しみです!
クラシックギターを弾く方には、定番曲はできるだけ早めに習得しておくことをオススメします。好きかどうかも大事だけど、学ぶことが多いからね。