アコースティックギター教室

Martin D-28の修理~第2回目

2015年9月1日

3年前にフレット交換をしたフォーク世代の憧れMartin D-28。50代の生徒さんのものです。

再びリペア(修理)が必要になったので、名古屋市内の工房へ持ち込みました。

Martin_D28

ネック裏の塗装が柔らかくなってしまい、指で擦れると剥がれてきたため、再塗装してもらうことに。

Martin_D28_ネックの塗装不良

他にも問題がないかチェックしてもらったら…

ナット(弦を支えている白い部品)が長年の使用で溝が削れて弦高が低くなっていました。強く弾くとビビリ音が出てしまうので、作り直してしてもらうことに。

Martin_D28_ヘッド

 

さらに重大な問題が発覚。なんとブリッジの1部分が剥がれていました~っ!

Martin_D28_ブリッジ剥がれ

しっかりと接着されているはずのブリッジ(黒い部品)の下に、金属板がスルリと入ってしまった。これでは弦の振動を有効にボディーに伝えることができません。

Martin_D28_ブリッジ剥がれの調査

ブリッジは常に弦に常に引っ張られているし、気候の変化で反ったりして剥がれやすい。まだ1部分が剥がれているだけなので、ひどくなる前に接着してもらうことにしました。

ギターは木材を組み合わせて作られているので、気候の変化により不具合が出ることがあります。特に良いギターほどよく響くように製作されているので気候の変化を受けやすく、適時メンテナンスが必要になります。

むしろ安価なギターの方が、必要以上の強度にしてあるので壊れにくいんです。その代わり響きにくくなりますが…。

リペアマンにしっかりと修理してもらって、良い音になって戻ってきてくれるのを待ちます。

 

修理が完了

8月末にリペアに出したMartin D-28が、入念な作業を経てようやく戻ってきました!

2ヶ月以上かかったリペアの内容は、

ネック裏の塗装

Before)ネック裏の塗装が柔らかくなってしまい、手触りはネチャネチャとして不快だ。しかも擦ると剥がれてきます。

Martin_D28_ネック塗装不良

After)古い塗装を剥がして再塗装。艶消しの具合もよくて、手触りは新品のようにサラサラになった!

Martin_D28_ネック再塗装

 

ブリッジ剥がれ

Before)しっかりと接着されているはずのブリッジ(弦を支えている黒い部品)が剥がれてきていました。

Martin_D28_ブリッジ剥がれ

After)しっかりと接着されているので思いっきり弾けます。

Martin_D28_再接着

 

ナット交換

Before)長年の使用でナット(弦を支えている白い部品)の溝が削れて低くなり、ビリつきが起きていました。

Martin_D28_ナット交換

After)牛骨で新しい部品に作り直してもらいました。しかも愛用している弦のゲージ(太さ)に合わせて溝を切ってもらったのでジャストフィット!できれば使用弦を変えないでね。

※完成した写真を撮り忘れました…。

 

レッスンの時に生徒さんにお渡ししたら、

『やっぱり、この音だねぇ』

って、喜んでもらえました。本来の音を取り戻したMartinちゃんをしっかり弾いてあげてくださいね。

 

*****

僕がギターのリペアに関わるのは、生徒さんに『良い状態のギターでレッスンを受けて欲しい』という思いからで、プロのリペアマンとの関わることでギターについて詳しく勉強できるのも楽しみです。

ただ、営利目的ではなく生徒さんへのサービスとして行っていますので、一般の方からの依頼はお受けしておりませんことご了承ください。

  • この記事を書いた人
アズール・ギター教室 代表

山口 直樹

アズール・ギター教室 代表

名古屋生まれの名古屋育ち。

1995年に「ギターの楽しさを多くの方に知ってもらいたい」と、4年間務めた一般企業を退職してアズール・ギター教室を設立。現在も名古屋市と知多市の5ヶ所の教室を運営中。

ギターを弾くことやレッスンが大好きで、楽器や関連グッズの探索はカレーと同じくらい大好物!