アントニオ・ラウロ(Antonio Lauro,1917~1986)の曲は10年くらい弾いてなかったけど、レッスンの要望をいただいたので楽譜を引っ張り出して、この機会に再チェックしました。

4つのベネズエラ風ワルツ
1938年~40年にかけて作曲された「4つのベネズエラ風ワルツ」は、タイトルからも分かる通り4曲セットだ。
- 第1番:タチアナ
- 第2番:アンドレイナ
- 第3番:ナタリア
- 第4番:ヤカンブ
今回レッスンのリクエストをされたのは、ラウロの作品の中でも特に有名な「第3番 ナタリア」という、ラウロの娘の名前を冠した曲。まずは、どんな曲か聴いてみてください。
曲の特徴
やはり特徴的なのはリズムですね。中南米の曲でときどき見かける、3/4拍子の中に6/8拍子を取り込んだ混合拍子は弾いていても心地良いです。

これは第2番の後半の出だし部分だけど、上声部は6/8拍子、下声部は3/4拍子になっています。

第2番は、第3番に比べると短くて弾きやすいから、最近は僕のギター教室でよく課題に出して流行らせています。
どんな曲か聴いてみましょう。
こういう曲に初めて取り組んだ生徒さんは、どうやって弾いたらいいかと「????」ってなるから面白い。もちろん、ちゃんと弾けるようレッスンしますからご安心を!
現代ギター「アントニオ・ラウロの生涯」
ただいま自宅では、溜まりにたまった現代ギター誌(約20年分!)を順番に片付けてるんだけど、1999年に「アントニオ・ラウロの生涯」が連載されていたのを偶然発見しました。
つい読んでしまうから片付けが進まない説(笑)

1932年にパラグアイのギタリスト・作曲家のアグスティン・バリオス(Agustín Barrios)のコンサートを聴いてギターに魅了され、それまで習っていたピアノとバイオリンを辞めてギターに専念することを決意したそう。
詳しい話は長くなるので、興味のある方はレッスンで聞いてください。(ブログの読者の方、ゴメンナサイ)
アントニオ・ラウロのハウザーギター
さらに、この記事を書いているタイミングで、ドイツのギターショップからこんな動画がアップされたのは奇遇でした。アントニオ・ラウロのために製作された、1956年製のハウザー2世が動画で紹介されています。
ラウロの曲を演奏していないのは残念だけど、なんだか情報を引き寄せてる?
「4つのベネズエラ風ワルツ」(A.ラウロ)の楽譜
さて、この曲を弾こうと思ったら楽譜が必要なのでご紹介します。
「ベネズエラ風ワルツ第3番:ナタリア」だけなら、ここに載っています。詳しい作品のデータや奏法解説が掲載されていて、僕も重宝しています。
4曲とも載っているのはこれ。僕が持っている赤い表紙の楽譜と同じでアリリオ・ディアス校訂だけど、改定されてより詳しい内容の楽譜になっています。もちろん、僕はチェックしましたよ!
まとめ
「4つのベネズエラ風ワルツ」はまとめて弾かれることも多いけど、特に第2番と第3番がよく演奏されるかな。
村治佳織も「カヴァティ-ナ」というアルバムで録音しているのは、この2曲だし。
美しいメロディーと特徴的なリズムの素敵な曲なので、皆さんもぜひ弾いてみてください。