僕はギターのレッスンを仕事にしているから『教える』立場だけど、レッスンを通じて生徒さんから『教えてもらう』こともたくさんあります。
最近も、生徒さんから教えてもらって解決した事があったんです。
譜面が長くてめくれない
それは、ヴァイオリンと一緒に演奏するとき、ギターから手を放すタイミングがほとんどなくて、譜面がめくれないこと。
師匠のCDに収録されている曲を練習しているので、とても楽しいんだけど。
【CD】加藤政幸(G)+ブレンドルフ(Fl)〈魅惑の夜明け〉
収録曲
フォーレ:パヴァーヌ
シューベルト:アルペジョーネ・ソナタ
ピアソラ:タンゴの歴史
宮城道雄:春の海
シャンカル:魅惑の夜明け
この中の【フォーレ:パヴァーヌ】【シューベルト:アルペジョーネ・ソナタ】【ピアソラ:『タンゴの歴史』からカフェ1930】を練習中。
シューベルト作曲のアルペジョーネ・ソナタなんて、CDを見ると演奏時間が24分28秒もある!
主に伴奏をする側のギターの譜面は、メロディーパートも一緒に載っているからページ数がとにかく多い。メロディーのパート譜は販売されているのに、ギターのパート譜はない。なぜ??
現代ギター社版を見ると楽譜が29ページ(!)もちろんギターから手を放すタイミングはほとんどないから、ページがめくれませ~ん。
ちなみに、この曲は3種類の楽譜を持ってます。なぜ複数必要かって?
この曲はピアノ伴奏をギター用に編曲してあるから、編曲者ごとに音の使い方が違うところがあるから。あと、ミスプリントのチェックもしないとね。
それぞれの譜面を調べていくと、編曲者が工夫しているのも良く分って勉強になります。
ショット社版なんて、同じ部分で3案を提示していたりするし。それぞれの気に入った部分を選んでたらツギハギだらけの楽譜になってしまって…まるでコラージュ作品だ。
ゴールデンウィークにした第1回目の練習では、譜面をめくるのが大変でご迷惑をおかけしてしまったので、解決策を考えないと。
ギター用のパート譜を作らないといけないのは分かっているけど、またここからギターパートを切り貼りして、パート譜を作るのもなあ。
パート譜の作り方は様々
ギター合奏に参加する生徒さんたちを見ても、パート譜の作り方は様々。
楽譜を台紙に貼って素早くめくれるように工夫している人、楽譜から自分のパートをハサミとノリで切り貼りしてパート譜を作るアナログ派、パソコンで楽譜を画像化して切り貼りするデジタル派など様々。
僕もヴァイオリンとの合奏では、紙を切り貼りしたり、パソコンで画像を切り貼り。これだけでも、けっこう大変な作業だった。
この部分だけでも、【右上】【右下】【左】で3種類の楽譜を切り貼りしています。見えるかなぁ?
ついに解決へ
先日のレッスン中、オカリナと一緒に演奏活動している生徒さんから『楽譜作成ソフトを活用している』と聞きました。僕が興味を持つと、ソフトの案内や実際に作った楽譜データをメール添付で送ってくださった。
楽譜がキレイに書けていたし、演奏音も出せたので大変参考になりました!パート譜も簡単に作れるようで便利そう。
いちばん驚いた機能は、PDFにした楽譜を読み込むと自動で認識して読み込んでくれること。自分で音符を打ち込まなくてもいいなんて知らなかった~、時代は進歩しているんだね。
読み込んでしまえば紙や画像を切り貼りしなくても、自由自在に音を変えることができるから良さそうだ。さっそく体験版で試したところ、かなりの精度で読み込めました。
とはいえ読み込みミスを探したり、運指や記号を入れたり、使い方を覚えながらの作業に四苦八苦。何とか完成しました。
キレイな仕上がりで、元からのミスも修正できたので大満足。でも、長時間モニターを見続けたおかげで目がショボショボだ。
ギターパートだけを抜き出したパート譜も、あっという間に作れた!
7ページだった元の譜面【上】が、4ページ【下】になった。めくりやすい部分で区切りにできたから、これで大丈夫!あとは練習だ~。
アルペジョーネ・ソナタも完成しましたよ。
【左】元の譜面 【右】ソフトで作成したギターパート譜。
指番号も読みやすいフォントに変更しました。音符が大きくなって、とっても読みやすい!
まとめ
打ち込んだ音符の音を出せるし、テンポも変えられるから、練習にも活用できそうだ。苦労した甲斐はあったかな。もちろん製品版を即購入しましたよ!
ナカナカのお値段なのは、特殊なソフトなので仕方がないかな。楽譜を手で切り貼りするよりもはるかにキレイに仕上がるし、細かい変更や修正も簡単にできるから、これからも活用できそうです!
お願い
僕が作成した楽譜は、その曲のレッスンを受講する生徒さんには無料で差し上げます。
生徒さん以外にお譲りしたり、作成の依頼をお受けすることはできませんことご了承ください。